開業時の資金繰りについて相談させてください。現在、都内で整体の仕事をしています。専門学校を出た後、正社員として10年ほど経験を積んできました。実家は都心から2時間程の所にあり、あと1~2年の内に地元に戻って独立開業したいと思っています。その際の開業資金として200万円ほど必要と考えています。
なるべく自己資金を増やそうと日々努力していますが、不足の時にはカードローンもありかな・・・と考えています。今まで、クレジットカードは持っていましたが、カードローンは未経験です。個人用と兼用するのではなく、事業専用のものを持つべきですよね?あと、開業の時にカードローンを使うと何かデメリットがありますか?教えて下さい。
開業を目指して努力されているとのこと、立派な心がけですね。どの分野であっても、事業をスタートする時には何かと出費が増えるものです。今から資金の借り入れ先を検討しておくと安心です。
カードローンは個人用と事業用を分けるべきか?というご質問ですが、分けることをおすすめします。個人向けのフリーローンで、事業用への使用が大丈夫な所もありますが、認めていない所もあります。兼用できるカードは選択肢が少なくなります。また、個人用と事業用を兼用して1つのカードを使うと、お金の管理や台帳の記入が複雑になります。
さらに、個人のカードローンは総量規制にかかり年収の3分の1までしか借りられないので、必要額の借り入れが出来ない可能性があります。カードローンを用意するなら、事業専用の物にしましょう。
事業用のカードローンは、事業ローンやビジネスローン等の名前が付いています。開業時に借りられるものと、1~2年以上の経営実績が必要な場合があります。貸付限度額は個人向けのカードローンより大きくなっています。無担保の場合、貸付限度額は300~500万円、実質年率は4~15%程度の所が多いです。
原則として保証人は不要です。申し込みの際は、本人確認書類(運転免許証や健康保険証)の他に、決算書や確定申告書が必要になります。また、これから開業する場合は、事業計画書の提出を求められる事が多いです。申し込みから借り入れまでの期間は、銀行や公的な融資よりも素早い対応が期待できます。
次に開業時にカードローンを使うデメリットがあるか?というご質問にお答えします。まず、事業用ローンは個人向けのフリーローンより審査が厳しいです。貸付限度額が大きいので厳しくなるのは当然です。これから開業ということは全く経営実績がないわけですから、更に厳しく見られる覚悟が必要です。資金計画が説明できるように、しっかりした事業計画をたてておきましょう。
また、事業用ローンは年会費や事務手数料がかかることがあります。ローンですから金利もかかってきます。この金利は、銀行や公的な資金より高めです。この経費の出費を大きいと感じるかもしれません。
特に、長期に渡って借り入れをしてしまうと、金利の負担が大きくなってしまいます。必要な時に必要なだけ借りるようにしましょう。経営実績が開業時はその時点でも借りられる金利が高めのもの、2年程度の実績が出来たら金利が低めのものに変えるのも1つの方法です。
質問者さんは今までカードローンのご経験は無いそうなので大丈夫かと思いますが、事業用ローンを借りる時に、個人ローンの返済を求められたケースがあります。開業を考えている方は、計画的に返済をしておきましょう。
順調な開業と整体院の繁盛をお祈りしています。
【参考ページはこちら】
職業別おすすめカードローン情報
開業カードローンデメリットには、どういったものがあるのでしょうか。まず通常のカードローンの場合には、事業性資金としての借入が禁じている商品も多く、「開業資金のために借りたい」という使用目的を明らかにすると審査はほぼ通りません。事業性資金の場合には審査方法の違う「ビジネスローン」などを利用することになります。
しかし事業性資金であっても公的な創業融資などの融資決定が降りているときのつなぎ資金については、時折認められることもあります。原則としては事業性資金の用途で、カードローンから借り入れることはできないと考えてよいでしょう。
もし仮に事業性資金の用途ではなくカードローンのキャッシング枠を作っていて、たまたまそれを開業資金で流用する事になった場合、ビジネスローンを借りるよりも金利が高い傾向にあるということはデメリットです。(こちらもご参考に→カードローンのメリット・デメリット)
ビジネスローンはノンバンクでも15%から7%程度の実質年率で貸し付けることが多く、100万円未満では18%を適用する貸金業者のカードローンに比べるとかなり低金利です。これが制度融資などの公的な融資を利用すればさらに低金利。なにかと資金繰りが大変な開業時に金利負担が大きなことは、大変なマイナス要素です。
また通常の貸金業者のカードローンは総量規制が関わってきますので、年収の3分の1を越える借入はできません。それに反すると罰せられるのは貸付を行った貸金業者ですので、正規の貸金業者はその法律の厳守のために厳密な審査と慎重な契約を行ってます。開業の時点ですでに勤め先を辞めていれば、申込すら受け付けられないという自体が起こり得ます。
正規のビジネスローンを利用すれば、事業性資金は総量規制の対象外となることから、他の借入を圧迫することがありません。他の借入があったとしても、年収の3分の1を越える借入も法律上は可能であることから、大型の融資も狙えるという利点もあります。
安易にカードローンで開業しようとは考えず、しっかりした事業計画などを揃えて、ビジネスローンや開業支援の公的融資などの利用を検討すべきです。
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